京都市海外情報拠点レポート(2020年度 10~11月分)

UPDATE :
2020. 12. 23
CATEGORY :
海外レポート

SUMMARY

京都市観光協会及び京都文化交流コンベンションビューローでは、世界12都市において、京都市海外情報拠点を運営しています。このたび、2020年度10~11月分の拠点レポートを公開いたしましたので、お知らせします。

--ニューヨーク-- 報告トピック

・アメリカのニュース専門局であるCNBCによると、アメリカン航空、ブリティッシュ航空、ユナイテッド航空は新しい2種類の事前テストプログラムに参加し、搭乗前のコロナテストを使用してアメリカ・ヨーロッパ間の旅行制限を緩和できるかどうかを検証する。それにより、米国とヨーロッパ間の渡航が解禁となる可能性がある。

・ウィズコロナ時代の空の旅の未来に向けた一歩として、アメリカン航空は、飛行前のコロナテストプログラムを拡大し、旅行者は、搭乗前に必須の検査を簡単に受けることが可能となった。

・航空会社にとって前向きなニュースとして、ハーバード大学公衆衛生学部の搭乗者調査によると、米国の航空会社がコロナから旅行者を保護するために取っている感染防止対策は、買物や外食などの日常的な活動における感染リスクを下回っていると発表した。

--ロサンゼルス-- 報告トピック

・「MMGY」社(PRネットワーク)の調査によると、コロナの影響により、この先6ヵ月以内に旅行を計画している人の割合は46%から40%に減少した。

・なお、上記の調査に加えて、以下のポイントが上げられる。

  • 57%の回答者が海外渡航をキャンセルし、35%が旅行を延期し、8%が計画通りに旅行をした。
  • 24%の回答者はこの先6ヵ月以内に海外旅行が可能と予測している。
  • コロナが“非常に”影響していると回答した数が10月以降増加している。

・3つのコロナワクチンは、90%以上の効果が認められており、治験中にも副作用の報告が少なかったことから、旅行再開に向けての希望となっている。

・コロナ感染者数の増加により、国家一律のルールが無ければ、地元当局は在宅命令、夜間外出禁止令などを適用する可能性がある。しかしながら経済への影響を踏まえ、3月・4月に行った都市封鎖は行わない見込みである。

--ロンドン-- 報告トピック

・富裕層旅行に特化した商談会「ILTM」は、富裕層の旅行傾向を調査し、その調査が今後富裕層向け旅行業界にどういった影響があるかを公表した。この1年間で実際旅行した人の割合は少ないが、旅行意欲が復活している人が増加している。次の四半期は近郊や地元の旅行が最も増加すると予想されるが、賑わっている都市部から離れ遠距離かつプライバシーが厳守できる旅行も増加する可能性があるとみている。

・イギリスの日刊紙「The Sun」によると、イージージェット、ウィズエアー、ブリティッシュ・エアウェイズ、ヴァージン・アトランティック航空等の航空会社が、出発前に独自のコロナ検査を提供している安心・安全な航空会社と報告した。ワクチン接種のニュースが公表され、年末休暇の旅行に意欲的であるため、多くの航空会社が独自のコロナ検査の計画を開始している。

・イギリスの富裕層向け雑誌「Luxury Lifestyle Magazine」は、アジアの富裕層の旅行状況を報告した。プライベート旅行が大幅に増加しており、自宅から旅行者の所有するプライベートビーチまで小型ジェットで移動する等、他者と社会的な距離を保つことができるため人気である。

--パリ-- 報告トピック

・コロナの影響で来年のイベント中止が発表され始め、2月下旬~3月上旬にパリで実施予定であった「農業見本市」と3月下旬開催予定であった「本の見本市」は2年連続で中止となる。

・フランス国有鉄道は、11月5日以降、列車の運行を通常時の30%程度まで削減した。2回目の緊急事態宣言以降長距離列車の利用率が下がり、平均15%まで低下しているが、大統領の演説を受けクリスマス休暇の列車予約が急増している。

・パリ交通公団は、11月18日より10~16時のメトロ運行を半減している。同時間帯の利用者が7割、ラッシュ時は5割減っているためとのこと。フランス政府が10月初旬に行った調査によると、民間労働者の45%がテレワークを実施している。

--フランクフルト-- 報告トピック

・旅行情報サイト「Tourlane」は、約1,200人の旅行者に対し、コロナのパンデミックが今年の旅行動向にどのように影響したか、2021年にどのような旅行傾向が現れているかについて調査した。

  • 調査の結果、2021年の旅行への関心は通常よりも高くなることと、渡航制限が解除されれば、予約が増加すると予測されている。
  • 明確な安全ガイドラインと衛生基準、医療体制に対しても意識が高く、海外旅行ファンの大多数はアウトドアに十分な時間を提供する目的地を好むという結果になった。

4分の1以上の調査対象者は、可能であれば感染リスクを抑えるために混雑する場所を避け、混雑地域から離れた目的地に旅行したいという傾向が見られた。

--トリノ/ローマ-- 報告トピック

・オンライン旅行代理店「eDreams」の調査によると、イタリア人の多くは2021年に旅行をしたいと回答している。48%のイタリア人は既に2021年の旅行を計画し始めており、そのうち21%は近距離旅行、19%は14日以内の長距離旅行を計画している。いずれにしても、多くの人が何らかの旅行を計画し始めているとのことであった。

・上記の調査では、47%のイタリア人はマスクと消毒液があれば不安はないと回答し、17%の人は安全対策が取られていれば問題ないとの結果である。

・アリタリア航空は、ローマ/フィウミチーノを出発し、ニューヨーク、モルディブ、ブエノスアイレス、東京羽田(2021年3月から)、マイアミ、LA、ボストン、ニューデリーへの最初の長距離便を今後数か月間販売するとした。

--マドリード-- 報告トピック

・京都市マドリード情報拠点は、スペイン人の旅行に対する意識調査を独自で行ったが、旅行を計画している人 (44%)と旅行を控える人(56%)に分かれたと発表した。旅行を控えると回答した人の38%は、ワクチンが有効になるまで旅行を控え、18%はコロナ前よりも旅行を控えると回答した。また旅行を計画している人の23%は何も変更しておらず、21%は安全に旅行できる代替案を探しているとのことである。

・スペインのオンライン旅行会社「Rumbo」によると、2021年の旅行は、日常を多忙に過ごす人々が地元の魅力を再発見し近隣都市での滞在やワーケーションがトレンドになると予想している。

・ヨーロッパ全土で放送している「ユーロニュース」は、2021年はより意識が高い旅行者が増えると予想しており、エコツーリズムとウエルネスツーリズムがトレンドになると報じた。

--シドニー-- 報告トピック

・オーストラリア政府は、観光産業回復パッケージとして国内のビジネストラベル促進へ新たな資金投入をする事を発表した。

・カンタス航空は、来年半ばまでに国際線の便数をパンデミック以前の50%まで戻したいとしている。

・旅行会社「Wendy Wu Tours」は、日本への往復フライトを無料にするツアーを発表した。(出発期間2021年9月~2022年4月)

--上海-- 報告トピック

・飲食店レビューやデリバリー事業の「美団点評」が発表した「2020年国慶節大型連休生活消費報告書」によれば、10月1〜4日にかけて、美団アプリを介した全体の予約件数と売上高は今年のメーデー連休(5月1〜5日)を大幅に上回っているだけでなく、前年同期と比較しても急増したという。半年以上抑えられてきた国民の消費意欲が本格的に解放され、真っ先にリベンジ消費の対象とされているのが映画・パフォーマンス市場だ。美団アプリによる映画予約件数はメーデー連休と比べて260倍余りに増加し、公演受注も7倍の伸びを示した。

・オンラインニュース「中国網」によると、第128回オンライン広交会が閉幕した。全体的にオンラインに移行され2回目となった広交会は、予定の成果・効果を手にした。過去最多となる226カ国・地域のバイヤーが公式サイトに登録、参加し、累計アクセス数は5117万回。広交会は国内外の貿易を促進した。

--台北-- 報告トピック

・中央流行疫情指揮センター交通部観光局の予測では、海外旅行の全面解禁は来年の第4四半期になること、台湾へのインバウンド回復には2年半の期間が必要となると発表。来年解禁後、最初は日本、韓国、ベトナム、香港、マカオ、ニュージーランドの6カ国を中心に集客しそうだと予測した。

・台湾最大級の旅行博「台北国際旅行博」(ITF)は10月30日に開催され、約30カ国及び地域が参加した。主催者よると、入場者数は計16万6,731人で、昨年より5割以上減となったが、コロナ感染が抑制できている台湾旅行は人気であり、初日の売上が昨年の倍以上に達したエージェントもあった。

・日本観光物産博覧会が11月7日・8日に、台北駅で開催された。日本の自治体・ホテル連盟など計29社が出展したが、今年はコロナウィルスの影響でオンラインセミナーを実施し、観光地の現地中継やグルメ紹介等、日本の魅力を発信していた。

--香港-- 報告トピック

・経済ビジネス情報メディア「NNA」によると、香港政府とシンガポール政府は、コロナの感染拡大防止を目的とした両地間の渡航規制を一部緩和し、隔離期間なしで往来できる「エア・トラベル・バブル」協定に原則合意したと発表した。合意内容によると、旅客の往来の目的は問わない。両地が相互承認するコロナの検査を受け、結果が陰性である旅客が対象。旅客は相手国・地域に入境後、強制検疫や自宅隔離措置を免除され、行動制限を受けないとの事である。

・日刊新聞「明報」によると、ホテル滞在を楽しむ「staycation」と、香港上空を飛ぶ、「flycation」が新たなトレンドとして注目されている。香港の航空会社2社が販売する、香港上空を周回・香港発着の「flycation」は今までに前例がなかったが、香港エクスプレスが11月の3便分販売した「UOFlycation環港遊」は、388~888香港ドル/約5,000円~12,000円(ほか雑費140香港ドル/約1,800円)で、発売2時間弱で売り切れたとの事である。

--クアラルンプール-- 報告トピック

・マレーシア旅行業協会(MATTA)のタン・アウトバンド担当副会長は、コロナの落ち込みから回復するのは来年4月以降、完全回復は来年11月を見込んでいると述べた。

・航空会社「Air Asiaグループ」のBo Lingam社長は、2021年中盤には多くの路線がコロナ前と同じレベルに回復すると予測している。アジア圏でのトラベルバブルの進展や最終テスト段階のワクチンが世界で増えている事等も予測の根拠となっている。

・マレーシア航空が日本在住者向けに、ランカウイ島旅行が当たるインスタグラムキャンペーンを10月に実施した。旅行期間は2021年12月31日までとされているが、渡航制限の状況により指定期間を延長する可能性もある。

CONTACT

本件に関するお問い合わせ先

公益社団法人 京都市観光協会

kyototravel@kyokanko.or.jp

広報・プロモーション課 京都市海外情報拠点 担当

本レポートの関連事業