京都市海外情報拠点レポート(2020年度 12~1月分)

UPDATE :
2021. 03. 09
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海外レポート

SUMMARY

京都市観光協会及び京都文化交流コンベンションビューローでは、世界12都市において、京都市海外情報拠点を運営しています。このたび、2020年度12~1月分の拠点レポートを公開いたしましたので、お知らせします。

--ニューヨーク-- 報告トピック

・ユナイテッド航空は、新しいデジタルソリューション「Travel-ReadyCenter」を立ち上げた。顧客がコロナウィルス関連の必須要件を確認し、地元の検査情報を見つけ、国内外の旅行に必要な検査とワクチン接種の記録をすべて1か所でアップロードできるものである。ユナイテッド航空によると、これらすべての機能をモバイルアプリとウェブサイトに統合した最初の航空会社であると発表した。

・旅行情報サイトの「The Points Guy」によると、タイを含むいくつかの渡航先は、観光を後押しするために、ワクチン接種を受けた旅行者の検疫要件を免除する予定だと報じた。しかし地元の情報では、タイの「Welcome Back to Thailand Again」キャンペーンは、ワクチン接種の世界的な普及と既存のビザ要件の適用についての状況を見つつ実施される予定である。

・「MMGYGlobal」(PRネットワーク)は、コロナ禍における旅行業界と情報の専用ページを立ち上げた。このページでは、最近の世界的な旅行者の意向データ、業界への影響、実用的な洞察を監視、分析、提供する取り組みの最新情報を共有している。

--ロサンゼルス-- 報告トピック

・「MMGY」社(PRネットワーク)の最新の調査によると、今後6か月間に国際線を利用する可能性があると回答した割合は、11月の21%から12月には25%に上昇した。承認されたワクチンの入手可能性が現実のものとなるにつれ、「すぐにワクチン接種を受ける」と回答した割合は、11月調査時の45%から50%に上昇した。また、回答者の40%は、それが効果的かどうかを確認するために「少なくとも数か月待つ」と答え、残りはワクチン接種を拒否すると回答。

・米国疾病対策センター(CDC)は、1月中旬に、海外から米国に入国するすべての旅行者は、搭乗前にコロナウィルス検査が陰性であることの証明を提示する必要があると発表し、この変更は1月26日から発効となった。また、バイデン政権は、海外から帰国する旅行者に対し2週間の隔離期間が必要になると発表した。

・アメリカ最大手メディア「CNN」や他の複数のメディアによると、バイデン大統領は、ワクチンの分配と配布を増やすことを目的とした一連の措置を発表した。これには、2億回分のワクチンの購入と、数百万回分の各州への配布の増加が含まれる。これらの追加投与により、2021年の夏の終わりまたは初秋までに3億人のアメリカ人(ほぼ全米国の人口)がワクチン接種を行うのに十分な供給量と見込まれるとの事である。

--ロンドン-- 報告トピック

英国の主要な旅行トレンドを調査する「Globetrender」によると、2021年の富裕層が求める旅行トレンドは5つあるとのこと。

①高級不動産と旅行会社は、隔離された空間の需要の急増に対応して、専用オプションを拡大している。

②プライベートかつ離れた場所にアクセスする事ができるヘリコプターツアーが、2021年の究極の旅行になる可能性が高い。

③飛行機での移動を減らし、長期滞在することが今年もトレンドであり、富裕層旅行者は豪華な別荘に長期間滞在することを選択する。

④失われた時間を埋め合わせるため、旅慣れた旅行者は一生に一度の心と体と魂を豊かにする旅行を選択する。

⑤顧客が必要とするものを正確に判断し、旅行を特別なものにするための時間と注意を払うことが、富裕層向け旅行会社を際立たせるものとなる。

・富裕層向け旅行会社の「Black Tomato」は、2021年の旅行トレンドを下記の通り予測している。

①旅行をする際の移動手段として飛行機ではなく、車や列車自転車や徒歩での近距離旅行が戻ってくる。

②旅行を貴重なものとし、一生に一度の体験をする重要なものと考えられるようになる。

③2020年に失われた時間を取り戻すべく、旅行での驚異的な出会いや経験を求める。

・オンラインライフスタイルメディアの「SheerLuxe」によると、持続可能な旅行がトレンドであり、世界的な旅行者の53%が、パンデミックの結果として、今後より持続可能な旅行を望んでいるとの事である。人々が環境への影響をより認識し、二酸化炭素排出量を削減しようとするにつれて、2021年はより環境に配慮した考え方が見られると予想している。消費者は旅行業界が今後より持続可能な企画を提供することを期待している。

--パリ-- 報告トピック

・フランス日刊紙のウェブ版「LEFIGARO.FR」にて、フィガロの旅行記者が選ぶ2020年のお気に入り都市10、“クリスマスアルバム:雪景色が美しい都市”に京都が選出された。

・1月16日からフランス全土で夜間外出禁止の時間が早められ、またスキー場の閉鎖も2月まで延期された。文化施設も閉鎖されたままで、飲食店の再開は4月頃とされている。

・12月末からワクチン接種が始まった。ワクチンの接種は、1.要介護高齢者施設等の入居者やその職員、2.その他50歳以上の高齢者やその他の専門職、3.その他の者、の3段階で実施する。ワクチンの接種は義務ではない(無料)。

--フランクフルト-- 報告トピック

・メルケル首相は各州相と協議し現在行われているロックダウンを2月15日まで延長する見通しを発表した。私的な集まりに関しては、自らの世帯のほか、別世帯に属する人は最大1人までしか集まりに加わることが出来ず、新規追加規制は、公共交通機関や店舗において医療用マスクを着用する義務もある。パンデミックを抑えるために、連邦政府は企業に可能な限り在宅勤務を義務付けたいと考えている。

・旅行業界向けメディア「Reise vor9」の調査によると、観光専門家の大多数は、将来、多くの国がワクチン接種を渡航の条件にする可能性があると予想した。ほとんどの人は、コロナが克服されるまで、ワクチン接種を受けた人だけが世界中を旅行することが可能になると信じている。 1,300人以上の観光専門家が参加した同調査では、参加者の約75%が、多くの国が入国のためのワクチン接種を条件にする可能性が高い、または非常に高いと考えていると述べた。約70%はコロナ危機が克服されるまで、世界中の旅行はワクチン接種を受けた人だけに限定されると想定している。観光専門家の約3分の2は、ヨーロッパ圏内において、ワクチン接種を受けた人はすぐに再び旅行できるようになると考えている。

・ドイツ人の半数以上にとって、コロナ禍においても、2021年の休暇旅行は重要である。特に若い世代は休暇を重要視する傾向が見られ、25歳から34歳までの調査対象者のうち65%が、今年の休暇を重要視している。全回答者の半数以上が、旅行先でのコロナ関連の制限に抵抗がなく、男女比においては女性の方が男性よりもコロナ関連の制限を受け入れる傾向にある。女性の回答者の62%が制限を受け入れるが、男性は49%にとどまった。

--トリノ/ローマ-- 報告トピック

・Expedia Group Media Solutionsの調査「Understanding Today’s Traveler」によると、旅行者の2人に1人は楽観的で、次の12か月間のうちに休暇に行きたいと考えている。柔軟な対応、清潔さ、コミュニケーションなどの3つのポイントにおいての安心感が重要視されている。

・カタール航空は、オンライン調査会社である「Human Highway」に依頼し、遠くの目的地への旅行に戻るという考えに関連するイタリア人の感情、期待、欲求を調査した。その結果、80%のイタリア人は既に飛行機で旅に出ることを夢みており、上位希望渡航先はニューヨーク、シドニー、東京という結果になった。

--マドリード-- 報告トピック

・スペイン観光を促進することを目的としたスペイン国家機関のTurespaña2021専門家会議にて、アジア市場がアフターコロナに多くのチャンスがあると予測した。

・京都市マドリード情報拠点が、京都の「Wellness」をテーマにメディア向けオンラインイベントを開催した。人々の興味はパンデミック後、よりWellnessを求める傾向にある。

・世界の強力な観光都市を評価するツールである「サフランシティブランドバロメーター」で、1位はパリ、2位はロンドン、3位は東京であった。同調査で京都は17位にランクインした。

--シドニー-- 報告トピック

・カンタス社がJALとの合弁事業を提案し、両国間の航空旅客市場の70%を抑え、スケジュール・運賃などを調整し、収入を両社で分配する体制を目指している。

・12月14日にNZは、2021年1月~3月を目途に豪州からの渡航を隔離期間無しで、渡航可能にすることに合意を示した。

・豪州の7-9月期GDPは前期比+3.3%のプラス成長に転じ、市場予想も上回り、上半期の景気後退から脱出した。豪州の個人消費については費者心理改善により7~9月期において、国内宿泊・外食や衣類などの消費が大きく回復した。

--上海-- 報告トピック

・新聞「人民網」によると、中国国家鉄路集団有限公司によると、春運(春節期間の帰省・Uターンラッシュに伴う特別輸送体制)の初日となった1月28日、中国全土の鉄道利用者数は延べ400万人(前年同期比66%減)だったと試算されている。鉄道当局が運行を手配した旅客列車は6595本と、2020年の春運初日と比べて3307本少なかった(33.4%減)。

・ウイルス対策が常態化する中で幕を開けた今年の「春運」期間中、中国全土の鉄道利用者は延べ約11億5200万人と、例年より目に見えて減少すると予想されている。2019年比で6割減、2020年比で約2割減の数字となる。

・オンラインニュースサイト「百度ニュース」によると、百度株式会社は中国向け越境ECプラットフォーム「百分百(baifenbai/バイフンバイ)」の販売を開始した。現在、中国への越境EC市場において多くが化粧品などのドラッグストア商品の販売に集中しており、日本の伝統工芸品など文化にまつわる領域の展開は、未だ参入が難しいという課題があった。そのような中、越境ECプラットフォームでは、日本全国の生産者や職人の方により作られた逸品を通して、日本のモノづくりや文化の素晴らしさを伝え興味をもってもらうことを目的とした「にほんものストア」を設置した。

・京都市上海情報拠点によると、1月22日、上海BFC(バンドフィナンシャルセンター)にある京都ハウスで“京都日本酒品鉴会”が行われ、上海に店舗を置く、ミシュラン2つ星店を代表するオーナーシェフや日本酒関係者、ライフスタイルメディアなどが少人数制で招待された。

このイベントは京都に本社を置く北川本家(富翁)とオンラインセミナーの形で進行され、お酒の試飲を行いながら日本の酒文化、北川本家(富翁)の日本酒ラインナップについて詳しく紹介が行われた。日本酒の試飲に合わせて、清水焼の器を用いて料理も提供され、味覚・視覚を通してお酒や京都の文化を体験できるイベントであった。

京都ハウスでは昨年、清水焼をテーマとしお茶会や和菓子手作り体験、芸術展示会などのオフラインが行われたが、今年は日本酒をテーマとし様々な活動を展開していくと、関係者へのヒアリングを通してわかった。

--台北-- 報告トピック

・パンデミックで最も深刻な打撃を受けた台湾観光業者によると、2020年の台湾への訪問観光者数は150万人にも及ばないとのこと。2021年は水際対策が続き、更に国内集団感染による各大型イベントの中止を加え、今年の成長率は昨年の横ばいと予想されると発表した。

・台湾では12月22日に、4月12日以来初となる国内感染が確認された。これを受け、台湾の観光当局は北東部で予定されていた毎年恒例の新年行事を中止する方針を示した。一方で、台北市で大晦日に花火などのイベントは予定通りに実施し、参加者はイベント中にマスク着用が義務付けられた。

・2020年11月と12月の台湾からの訪日客数、11月は前年同月比99.7%減の 1,200 人、12月は前年同月比 99.7%減の1,000 人であった。

--香港-- 報告トピック

・経済ビジネス情報メディア「NNA」によると、香港とシンガポールの両政府は12月1日、ウイルスの感染拡大による渡航規制を一部緩和し、隔離期間なしで相互往来できる枠組み「エア・トラベル・バブル」の2020年内実施の見送りを決めたと発表した。香港政府は、12月末の状況を見極めて、2021 年の実施に向けた手配に入ると説明した。シンガポール民間航空庁(CAAS)も、12月下旬に改めて開始時期を検討するとの声明を出した。

・香港の格安航空会社(LCC)、香港エクスプレス(香港快運航空)は、スイス損害保険大手「チャブ」と提携し、渡航先でのウイルス検査にかかる費用などを補償する「無料コロナ保険」の提供を始めたと発表した。親会社の香港航空最大手キャセイパシフィック航空(国泰航空)も今月上旬から、フランス保険大手「アクサ」の香港法人と組んで同様の保険の提供を始めている。

--クアラルンプール-- 報告トピック

・空港運営会社のマレーシア・エアポート・ホールディングスは、クアラルンプール国際空港に顔認証システムを導入すると発表した。搭乗券不要のシステムで、上半期中にセルフ式チェックインカウンター50ヶ所、チェックインカウンター20ヶ所、保安検査場のeゲート56ヶ所、および第1ターミナルと格安航空向け第2ターミナルの搭乗ゲートに整備する。各チェックポイントの通過に要する時間は約5秒で、搭乗手続きに要する時間が短縮できるばかりでなく他の人との接触が不要になるシステムで、旅客の安全が確保され、またなりすましの防止に役立つようである。

・マレーシア航空が、航空会社の安全性評価及び航空業界に関する各種ニュースを配信するウェブサイトAirlineratings.comのコロナ対策衛生管理において、トップランクの七つ星を獲得した。エアアジアも昨年11月に七つ星を獲得している。

・活動制限令の影響で、ランカウイ島のホテルの予約が60%キャンセルとなり、旧正月時期の予約に関しては全てキャンセルであった。その為ランカウイ島を含むケダ州観光局は、他州からの観光客を呼び込めないこの時期に、州内の人々による州内観光を促進するため、ホテル料金等がお得になるキャンペーンを実施する。半額になるホテルもあるそうだ。

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本件に関するお問い合わせ先

公益社団法人 京都市観光協会

kyototravel@kyokanko.or.jp

広報・プロモーション課 京都市海外情報拠点 担当

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