11月の連休の動向速報

UPDATE :
2020. 11. 30

SUMMARY

今年の3連休の中日(11/22)は一部の観光地で前年同期を上回ったものの、他の日程や京都駅周辺ではまだ前年を下回っており、京都市全体としては依然として需要の底上げが必要である。事前予約制を導入した文化財特別公開では、約半数の拝観者が予約を利用しており、連休期間中は定員の8割が埋まった。例年昼過ぎに集中する拝観者が朝や夕方の時間帯に分散し、3密回避に有効な取組になっていると言える。

市内主要地点における来街者数(前年からの伸率)

  • 主要観光地においては、3連休中日の来街者※1が前年を大きく上回った。とくに清水坂では、日本人客数で比較した場合50.2%増となった。
  • 昨年は勤労感謝の日が土曜日と重なり2連休であったため、昨年は11.23(土)に需要が集中したことで、3連休初日は前年を下回った
  • 連休期間をおしなべて比較すると、まだ前年を上回るほどの状況とは言い切れない。各メディアでも観光地における混雑が報道されたものの、これらは瞬間的な賑わいが報じられたものであり、京都市全体としては依然として需要の底上げが必要であると考えられる。
  • 京都駅周辺においては、比較対象である前年が平日であった11/23(祝)を除いて前年割れとなった。市民や近郊住民による日帰り需要の回復が先行していることから、京都駅を経由せず私鉄各社を利用して入洛する人が多いためではないかと考えられる。

出典)KDDI社のスマートフォン利用者の位置情報を活用したビッグデータ(Location Analyzer)をもとに集計

※1)来街者数の定義は、集計対象エリアにおいて居住または勤務していないと判定された人が、当該エリアにおいて60分以上滞在した場合の数。(つまり、当該エリア外に居住する市民なども含まれている)

※2)昨年までの実績をもとに入洛客における日本人:外国人の比率が4:1と仮定し、昨年値は日本人客数をもとに外国人客数を拡大推計したうえで、今年値と比較している。
たとえば、昨年日本人の来街者数が10,000人だった場合、外国人来街者は2,500人となり、合計12,500人として今年の値と比較することになる。

※3)伏見稲荷大社では、毎年11月23日に新嘗祭が執行されるため、前年比較に影響を与えた可能性がある。

両年とも期間中の著しい天候不順は無く、天候の影響はほとんど無かったものと見なす。

京都総合観光案内所(京なび)の来所者数

  • 京都駅周辺の来街者数の動向と同様に、京都駅内に位置する観光案内所の来所者数は前年を下回った対面での相談による感染リスクを避ける意識がはたらいていることに加え、デジタル技術の発達により、案内所を訪れなくても情報取得できるようになりつつあることが影響していると考えられる。

※1)毎月5日、15日、25日に、相談対応を行った観光客の国籍を調査した結果に基づく数値

秋の文化財特別公開の拝観者数

京都市観光協会において実施している文化財特別公開の対象寺院である金戒光明寺、浄住寺から情報提供のご協力をいただき、連休期間前後の拝観者数の状況を以下のとおり集計した。

金戒光明寺

  • 3連休期間中、金戒光明寺の特別公開においては平日の3倍程度の拝観者数となった。
  • 本年の特別公開においては拝観者数の制限と事前予約者の優先案内を行っており、集計期間中の事前予約者が占める割合は過半数となった。予約を行ったうえで観光することへのニーズが相当発生していることを伺うことができる。
  • 予約制を行っていなかった前年の特別公開と比較すると、拝観者数の前年比は連日50%前後の減少となっている。
  • 最も拝観者数が多かった11/22(日)における時間帯別の予約人数は、昼食時の12時前後を除いたほとんどの時間帯において、15分あたりの定員(35名)に達する申込みとなった。従来の予約を伴わない特別公開の場合、通常は昼過ぎに拝観者数がピークとなっていたが、予約制を導入したことによって朝や夕方の時間帯に需要が分散し、一日を通して密を避けて拝観していただくことができるようになった

浄住寺(11/21(土)から公開開始)

  • 11/22(日)の拝観者数は前年に迫る値となり、土日の利用者は予約者のみとなった。ただし、予め設定していた定員に占める割合にはまだ余裕があるため、空き時間帯の利用促進に注力することで、引き続き安心・安全な観光スタイルの確立を目指す。

※ 当日直前のキャンセルなどで、事前予約時の人数を来客数が下回ったものと考えられる。

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京都市観光協会 マーケティング課 堀江

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