このたび、京都市観光協会(DMO KYOTO)は、京都観光に関わる事業者および従事者の皆様を対象にした調査を行いましたので、その結果を発表します。この結果は、当協会の事業に活かすとともに、令和3年3月に策定された「京都観光振興計画2025」における指標の一部としても活用されます。
この調査は、2021(令和3)年度から開始しており、今回で2回目となります。ただし、前回調査とは調査手法が一部異なるため、年別の比較を行う際にはご注意ください。今後も継続して調査を行うことで、働きたくなる業界づくりのために必要な対策や支援についての検討材料とするとともに、「京都観光振興計画2025」に基づいた施策の進捗と成果の把握を行ってまいります。
調査目的 | 本調査は、京都市域における観光関連事業者の経営状況や、京都観光モラルに関する取組への意識を把握し、働きたくなる業界づくりのために必要な対策や支援について検討するための基礎資料とすることを目的として実施した。 |
調査時期 | 2022(令和4)年11月~2023(令和5)年1月 |
調査対象 | 京都観光に関する事業を営む事業者 |
調査方法 | WEBフォームによるアンケート |
標本数 | 222社 |
主な調査項目 | 業種、従業員数、人件費、観光客からの売上が占める割合、売上高の増減、主力商品の売価と原価の変化、京都観光モラルに関する取組状況、今後の事業方針、経営課題 |
観光売上(観光客から得られる売上)が前年から増加したと回答した事業者の割合は62.5%を占め、前回調査(2020年から2021年にかけての変化)の結果17.0%を45.5ポイント上回った。
回答した各事業者における観光売上の、2021年から2022年にかけての増減率の平均値は59.7%増であった。前回調査の結果によると、2020年から2021年にかけては23.7%減、2019年から2020年にかけては61.2%減と、2年連続で下落が続いていたが、今回初めて上昇に転じた。
景況感についての回答結果も前年の調査からは改善したものの、楽観視していると回答した事業者の割合は約15%に留まり、依然として先行きを不安視している事業者が多い状況が続いている。
2021年から2022年にかけて主要商品・サービスの売価を上げたと回答した事業者は59.1%に上り、前回調査(2020年から2021年にかけての変化)の回答率24.2%を34.9ポイント上回った。
また、2021年から2022年にかけて主要商品・サービスの原価が上がったと回答した事業者は78.8%に上り、前回調査(2020年から2021年にかけての変化)の回答率38.4%を40.4ポイント上回った。
経営課題として最も多く挙げられたものは「原材(燃)料高」であり、回答率が7割近くに達している。その他、回答上位に「求人難」「人件費負担増大」が続いている。
2021年から2022年にかけて従業員数を増やしたと回答した事業者は12.8%に上り、前回調査(2020年から2021年にかけての変化)の回答率5.4%を7.4ポイント上回った。一方で、減らした事業者も35.2%と、前回調査の25.1%から10.1ポイント多い結果となった。
回答者全体における2021年からの従業員数の増減率の平均値は7.3%減となり、3年連続でマイナスとなった。一方で、人件費総額は2021年から増加したと回答した事業者が増えており、回答者全体の増減率の平均は4.7%増と、調査開始以後初めてプラスとなった。
上記の結果をもとに換算した一人当たり人件費が2021年から増加した事業者が占める割合は37.8%に上り、前回調査(2020年から2021年にかけての変化)の13.7%を24.1ポイント上回った。2022年から2021年にかけての一人当たり人件費の増減率の平均値は10.7%増となり、調査開始以来初めてプラスとなった。
京都観光モラルに関する取組では、「地域との調和」「防災・危機管理」のそれぞれで、各分野につながる行動の少なくとも一つに積極的に取り組んでいる事業者の割合が前回調査から8ポイント近く増加した。
とりわけ、「地域との調和」では「地元住民の雇用」「施設・店舗周辺の観光マップ等の作成・配布」の項目が、「防災・危機管理」では「AEDの設置」「特定市場に偏らない誘客の多角化」の項目が最もポイントを伸ばしている。
調査目的 | 本調査は、京都市域における観光関連業界の従事者の就労状況や、京都観光モラルに関する取組への意識を把握し、働きたくなる業界づくりのために必要な対策や支援について検討するための基礎資料とすることを目的として実施した。 |
調査時期 | 2022(令和4)年11月~2023(令和5)年1月 |
調査対象 | 京都観光に関する事業に従事する者 |
調査方法 | WEBフォームによるアンケート |
標本数 | 278名 |
主な調査項目 | 居住地、雇用形態、役職、勤務年数、週あたり勤務時間、京都観光モラルの取組状況、仕事のやりがい、収入の変化 |
注意点 | 前回調査は新型コロナウイルスワクチン職域接種来場者を対象に実施したため、今回とは調査手法が異なる。 |
収入が前年から増加したと回答した人の割合は32.0%となり、前回調査(2020年から2021年にかけての変化)の結果21.0%から11.0ポイント増となった。2021年から2022年にかけての収入の増減率の平均値は13.6%増であり、前回調査の5.6%増を8.0ポイント上回った。
雇用環境に関する項目ごとの重要度と満足度について7段階評価で聞いたところ、「職場の人間関係や信頼関係」「仕事の内容や仕事量」「職場環境(立地、設備など)」については、重要度、満足度ともに高く評価する回答者が多かった。一方で、「待遇(給与・賞与など)」については、重要度が高いにも関わらず、満足度が相対的に低い結果となった。
京都観光モラルについての取組状況について聞いたところ、全ての分野において、少なくとも一つは積極的に取り組んでいる従事者の割合が増加した。とりわけ「質の高いサービス」「景観・環境の保全」に関する項目で、前回調査を10ポイント以上上回る結果となった。なお、前回調査以降、「地域との調和」は30%台、「質の高いサービス」「防災・危機管理」は40%台、「景観・環境の保全」は50~60%台で推移している。
「現在の会社で働き続けたい」という問いに対して肯定的な回答した人の割合は62.9%と過半数を占めた。ただし、否定的な回答をした人も20.1%を占めている。
仕事に対するやりがいへの評価は11段階評価で平均7.32点となり、前回調査の7.26点から横ばいであった。ただし、最も高い評価をした人の割合が、前回調査は18.3%であったところが今回調査では28.8%となった。
「身に着けたいスキル」について聞いたところ、2022年の取組実績として最も多かったのは「京都の歴史・文化・芸能」であり、回答者のうち59.0%が習得に取り組んだと回答した。この他、回答上位に「語学」「接客・礼儀・作法」「データの収集・分析・活用」が続いている。
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企画推進課 福永、堀江
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