京都市観光協会データ月報(2019年9月)

UPDATE :
2019. 11. 01
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データ月報

調査結果のポイント

外国人比率は46.3%と9月としての最高値を更新し、客室稼働率は16ヶ月ぶりに前年同月を上回る

46.3%

4.7 pts

京都58ホテルにおける2019年9月の外国人比率は、前年同月を4.7ポイント上回る46.3%となり、調査開始以来9月としての最高値を更新した。

客室稼働率は、2018年6月以降、前年同月を下回る状態が続いていたが、今月は16ヶ月ぶりに前年同月を上回り、83.6%(前年同月差1.7ポイント増)となった。昨年9月は関西地方を直撃した「台風21号」等の影響によって、外国人延べ人数(同3.2%減)、日本人延べ人数(同7.8%減)ともに減少していた。今月はその反動に加え、ラグビーワールドカップによる需要増などが要因となり、上昇に転じたものと考えられる。

ラグビーワールドカップにより欧・豪市場が拡大

+24.7%

ラグビーワールドカップ2019日本大会の開催により、欧州・豪州を中心に、大会出場国にて、市場が顕著に拡大した(下記参照)。特にイギリスは、構成比が市場別5位の5.9%となり9月としての最高値を更新するとともに、伸率は79.2%と調査開始以来、同国において最も高い数値を記録した。またフランス、ニュージーランド、オーストラリア、アフリカ(南アフリカを含む)でもそれぞれ40.6%増、32.0%増、12.7%増、165.1%増と大きく伸長した。京都での試合開催こそないものの、大会を目的に訪れた外国人による観光需要や日本での滞在拠点としてのニーズを京都が獲得していることが伺える。本大会の影響は10月も継続すると考えられるため、更なる市場の盛り上がりを期待したい。

*参考 本年の欧・豪地域の外国人延べ人数の伸率(前年同月比)
1月(18.6%増)
2月(30.0%増)
3月(16.8%増)
4月(40.8%増)
5月(12.1%増)
6月(21.0%増)
7月(8.1%増)
8月(4.6%増)
9月(24.7%増)

台湾は47.8%増と、6ヶ月ぶりに増加に転じ、2015年2月(同79.0%増)、2014年5月(同66.1%増)に次ぐ、調査開始以来3番目に高い伸率を記録した。昨年度に発生した「台風21号」の影響からの反動が主な要因として考えられるが、今後の動向に注目したい。

韓国市場は縮小が続くが影響は限定的

1.8%

2.8 pts

韓国市場は、日本全体が前年同月比58.1%減、京都58ホテルは同49.9%減と、日韓情勢等を背景に、前月(日本全体:同48.0%減/京都:同37.8%減)を上回る減少幅となった。しかしながら、京都においては韓国市場のシェアは相対的に低く、構成比では、4.6%から2.8ポイント減の1.8%であることから、影響は限定的といえる。

中東は前年同月比51.7%減と大きな縮小を見せている。これはユダヤ教の三大祭りの一つである仮庵の祭(スコット)による休暇時期が、昨年の9月から、本年は10月になっていることで、イスラエル市場が大幅に縮小したことが原因として考えられる。

日本人延べ人数は前年同月比6.5%と8ヶ月連続で前年同月を上回る

+6.5%

日本人延べ人数は前年同月比6.5%増と、8ヶ月連続で前年同月を上回った。「台風21号」などが影響した前年同月からの反動に加え、販売可能客室数の拡大(前年同月比18.1%増)等もあり、多くの国内観光需要を取り込めたと考えられる。

国慶節期間の免税売上は件数・単価がともに伸長

+2.2%

市内4百貨店の国慶節期間(10月1日~10月7日)おける免税件数は前年同月比で4.3%減少したものの、免税単価が6.8%増加したことに伴い、免税売上額は同2.2%増加した。とりわけ、東アジアの免税単価は、50,998円から55,513円と4,515円増加しており(8.9%増)、また前月(9月)の単価46,321円と比べると9,192円高く(19.8%増)、国慶節期間中、中国人観光客等の消費が旺盛であったことが伺える。

調査概要

概要

外国人宿泊状況をタイムリーに把握できるよう、平成 26 年(2014 年)4 月以降、京都市内の主なホテルの協力を得て、国・地域別の調査(「実人数」「延べ人数」「延べ部屋数」)を毎月実施。※全国で唯一の取組(京都市観光協会調べ)。

なお、本調査では、ビジネス、観光を問わず、日本国籍以外のパスポートを有する人すべてを「外国人」として定義している。

対象ホテル(2019年 9月現在)

  • 58ホテル 12,567室(2019年9月現在)
    ※京都市内ホテルの客室数ベースで約4割をカバー(京都市観光協会調べ)
    ※前年と本年では対象ホテル数・客室数が異なるため、昨年発表の2018 年9月数値(40ホテル)と今回発表の2019 年9月数値(58 ホテル)は異なる場合がある。なお、対象ホテルにおいては、調査対象月における前年と本年の数値提供を得ている。
    ※P8の客室収益指数(RevPAR)等の数値は、ホテルデータサービス会社STR(本社:イギリス・ロンドン)からの提供によるもので、上記58ホテルとは対象が一部異なる。

分析数値

  • 「客室稼働率」「外国人利用割合」は、「延べ部屋数」の集計による。
  • 「構成比」「伸率」は、「延べ人数」の集計による。
  • 「構成比」は外国人客における国・地域別割合を示す。
  • 「伸率」は前年同月からの増減率を示す。
  • 「販売可能客室数」は日々販売されている客室数の月間累積値を示す。
    例)100部屋を有するホテルにて、20室が改装工事中、80室を30日間販売していた場合
    販売可能客室数:80室×30日=2,400室

その他

本資料の数値を引用する場合は、「出典:京都市観光協会データ月報」を明示してください。

ただし、P8のSTRデータについては、書面による許諾を伴わない再出版もしくは二次使用は固く禁じられております。報道・メディア媒体への掲載については、(公社)京都市観光協会(担当:加藤)までお問合せください。

京都観光総合調査との関連について

京都市全体の観光動向の把握については、ほぼすべての市内宿泊施設(旅館業法許可施設)を対象とする「京都観光総合調査」(京都市から年 1 回発表)が基本指標となる。当調査は、インバウンドマーケットの傾向を把握するため、京都市内の主なホテルを対象とするサンプル調査であるため、その他ホテルや旅館、簡易宿所、いわゆる「民泊」等に宿泊した外国人客は含まれておらず、訪日外客数(日本全体)との比較等も参考分析という位置づけとなる。

調査レポートのダウンロード/分析ダッシュボード

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