海外富裕層受入体制強化のための人材育成セミナーを開催しました。

UPDATE :
2019. 11. 07
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事業報告 , セミナー

京都市観光協会では、京都市及び京都文化交流コンベンションビューローとの連携のもと、観光消費額の増加と地域経済の活性化を目指し、これまでから海外富裕層の誘致に取り組んでおり、平成28年度には海外富裕層誘致を目指す自治体の広域連携組織「日本ラグジュアリートラベルアライアンス(※)」を設立しました。
当アライアンスと観光庁が連携し、9月30日、「海外富裕層受入体制強化のための人材育成セミナー」を開催しました。
観光関連事業者の海外富裕層への理解と対応力の向上を図り、世界の富裕層が選ぶ旅行先としての「日本」の確固たるブランド化と、更なる地域経済の活性化を目指して開催した今回のセミナーですが、海外からの旅行者の受け入れに高い関心を持っておられる事業者から、定員を大きく上回る申し込みがあり、会場を当初予定の京都経済センターから、からすま京都ホテルに変更し、約120名の方の参加のもと、開催しました。

※日本ラグジュアリートラベルアライアンスとは・・・

設立  平成28年4月
構成  札幌市、石川県、京都府、京都市、和歌山県
目的

  • 世界におけるラグジュアリー層の訪問先としての日本の確固たるブランド化
  • 海外富裕層向けの各地域の受入環境のレベルアップ
  • 質の高いシームレスな富裕層訪日旅行の実現。

日本ラグジュアリートラベルアライアンス福原和弥会長(京都市産業観光局観光MICE推進室観光戦略担当部長)による開会挨拶に続き、観光庁観光人材政策室担当参事官の小熊弘明氏に登壇いただき、「国の観光人材施策について」と題して、最新の観光の現状や政府の取組などについて説明いただきました。

クライアント目線に立つことが最も重要

次に、リージェンシー・グループ株式会社会長兼CEO沼能功氏によるご講演。沼能氏は、2017年、世界的な富裕層トラベル・コンソーシアム“TRAVLLER MADE”において、世界の富裕層トラベルに影響を与えた一人として、“Supplier Knowledge部門”でアワードを受賞されています。「上質なお客さまを迎えたいデスティネーション・観光事業者に求められる必須条件とは」をテーマにお話しいただき、クライアント目線で、夢、希望の実現を図ることがポイントであり、サプライヤー側が提供したいサービスはさておき、クライアントが求めるものを提供するということが、ラグジュアリートラベルに従事する側の役目であるとのこと。そして、トレンドを満たすことで顧客満足を図っていくことが重要であり、また、人間関係の構築が重要なラグジュアリー・トラベル業界での成功には、ラグジュアリー・トラベラーの嗜好や動向を理解しているDMCやトラベル・デザイナーとのネットワーキングも欠かせない旨、説明いただきました。

地域とつながりをもち、持続可能性に配慮する理念がホスピタリティの神髄

最後に、ルレ・エ・シャトー日本・韓国事務局ディレクター神谷由紀子氏がご登壇。神谷氏は、国内外ラグジュアリーホテルブランドにて経験を積み、2012年より、世界62箇国、約580のホテルとレストランが加盟し、世界中の様々な国や地域で、その土地の風土に根ざした美しいライフスタイルや魅力をお客様に提供する協会組織である「ルレ・エ・シャトー」(本拠地フランス)の日本・韓国事務局ディレクターとして活躍されています。講演のテーマは「施設・事業の規模に左右されない、海外富裕層に支持される『おもてなし』について」。ルレ・エ・シャトーのメンバーにもふさわしいようなプレイヤーとは、地域の生産者とのつながりのある経営者で、全体の持続可能性への配慮が行き届き、それぞれの理念、哲学を持っているというところが、ホスピタリティの神髄ではあり、自分のことを知ってもらっている、という思いを抱いてもらうことがおもてなしの鍵となる旨、示唆いただきました。

セミナーの後は、交流会を実施し、海外富裕層を効果的におもてなしするための方法などについて、意見交換を行いました。終始和やかな雰囲気の中、参加者同士のネットワーキングが展開されました。

参加者からは、「消費額のかなり大きい旅行者がいることに認識を新たにした」「受け入れの仕方を再考したい」といった声が聞かれ、また、講師の方々からも、「これほど多くの方が参加されていて、京都やラグジュアリートラベルアライアンスの方々をはじめとするみなさんの熱量を感じた」「真のラグジュアリー・トラベラーが、京都、日本により一層、来ていただけると良いと願っている」と今後の京都観光、日本観光への期待の言葉をいただきました。

京都市観光協会では、京都市及び京都文化交流コンベンションビューローと連携し、世界におけるラグジュアリー層の訪問先としての京都、そして日本の確固たるブランド化、海外富裕層向けの各地域の受入環境のレベルアップを図り、引き続き海外富裕層の誘致に取り組んでいきます。

セミナー概要

<日時>
・セミナー:令和元年9月30日(月)午後2時~4時10分
・交 流 会:   同日       午後4時30分~5時30分

<場所>
・セミナー:からすま京都ホテル3階  瑞雲
・交 流 会:同ホテル2階  双舞

<出席者>
京都市内の観光関連事業者等  約120名

<次第>
14:00~14:05  主催者挨拶
日本ラグジュアリートラベルアライアンス会長  福原  和弥(京都市産業観光局観光MICE推進室観光戦略担当部長)

14:05~14:20  来賓挨拶、国の観光人材施策について
観光庁観光人材政策室担当参事官  小熊  弘明  氏

14:20~15:10  講演①
リージェンシー・グループ株式会社会長兼CEO  沼能  功  氏
テーマ:「上質なお客さまを迎えたいデスティネーション・観光事業者に求められる必須条件とは」

15:10~16:00  講演②
ルレ・エ・シャトー日本・韓国事務局ディレクター  神谷  由紀子  氏
テーマ:「施設・事業の規模に左右されない、海外富裕層に支持される『おもてなし』について」

16:00~16:10  閉会挨拶
(公社)京都市観光協会事務局次長 兼
(公財)京都文化交流コンベンションビューロー国際観光コンベンション部部長  赤星  周平

16:30~17:30  交流会

<主催>
日本ラグジュアリートラベルアライアンス

<共催>
観光庁

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